【第1回:ベロニカ】宗教・神話からみるドラクエ人物考


学生諸君!
きょうも元気かしら
マキ学長です。

さいきん学長、がんばって当大学のロゴ作りました

スマホから読んでくれている方も、PCからの方も、トップページに表示されておると思う多分。
ちょっと本格的になった。
ふふ まんぞく

さてさて。
当大学はドラクエXだけでなく、ドラゴンクエストシリーズ全般に関する広範なことがらについて、無駄に、ムラだらけに、そして時にムリやりに。
研究してゆくブログとして設立しております。

だもんで、本日の講義も相変わらずどーしょもなくマニアックです。
ついてくるがいい

テーマはこちら、どーん
宗教・神話上の人物とドラクエのキャラについて

ドラクエシリーズの登場キャラの中から、宗教上・神話上の重要人物と同じ名前の人物を取り上げてご紹介しながら、無駄かもしれないけどゆかいな論考を繰り広げたいと思います。

んじゃ、いくよ
今日はこの方にスポットライト!

ベロニカ

 



最新作ドラゴンクエスト11から、自称・天才魔法使いのベロニカんにお越しいただきました。

悪しき魔法によりボディだけが幼女退行してしまうという、なんともスキモノに好都合な設定に生まれし我々のアイドル、ベロニカさん。
作中ではその境遇を存分に生かし、水玉のエプロンドレス、セーラー服からネコの着ぐるみまでを着こなし、ロリ男の皆様の心を切なく乱したものでございます。

さて、このベロニカ(Veronica)という名まえ。
もともとはイタリアを中心としたラテン系ヨーロッパでよく女性につけられた名前でした。
現在でも、欧米全域で非常にポピュラーな名前で、フランスにもロシアにもアメリカにもたくさんのベロニカさんがいます。

ですが、キリスト教を中心とした西洋古典の世界では、ベロニカさんと言ったら何と言ってもこの人!!という世界一ご高名なベロニカ先輩がいます。

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「聖ベロニカ」(作者不詳・ドイツ、アルテ・ピナコテーク蔵)

キリスト教の非常に有名な聖人のひとり、エルサレムご出身のベロニカ先輩す。

このめっちゃ怖い絵は、聖書外伝のワンシーンを描いたものです。
ベロニカ先輩が不気味なでっかい顔のついた大きな布を広げる姿は、宗教画の中でもとても有名なモチーフのひとつです。

これはキリストが処刑された日のエピソードを描いています。
キリストはこの日、十字架を背負わされました。
そして石を投げつけられ罵声を浴びせられながら、群衆の中を歩かされました。
自分の処刑場となる、ゴルゴタの丘を目指して、役人たちに鞭うたれながら坂道を登っていたのです。

その血と汗にまみれたボロボロの姿を見て、ベロニカが彼に駆け寄り、身につけていたベールを差し出しました。
ベロニカがキリストの顔を拭うと、白かったはずのベールに、キリストの顔が浮かび上がったという…それがこの絵なのです。

ところでじつは、お花にもベロニカの名を持つものがあります。

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ベロニカは長い穂のような花をつける背の高い植物。
紫のほか白やピンクの花をつけるものがあり、日本でも花壇に植えられているのをよく見かけるんですけど、ベロニカっていう名前だってことは、あんまり知られていなかったりします。

さて、このベロニカ、画像の通り、とってもかわいい花を咲かせるのですが、咲いたと思うとすぐにしおれ、見る間に散ってしまうという儚い特徴があります。

この可憐で短命な花、Veronica語名はSpeedwell
日本語でいうと「さようなら」あるいは「よい旅を」に相当するそうです。

ドラクエ11のベロニカが世界崩壊時に辿ったあの運命をほうふつとさせるような……、何ともせつない意味なのですね。
このツンととがったお花のカタチにも、活発で負けん気が強くって、あの時みんなを守ってくれたベロニカ姉さんを思い出して、……学長泣いちゃう。

天才魔法使いベロニカと、キリスト教の聖女ベロニカ、そしてお花のベロニカ。
関係があるのかどうか、ホントのところはわかりませんけれど、こんなふうに深堀りしていろいろと想像してみるのって楽しい。

当大学は、そんな頓狂な思いつきをつづる、研究ブログでございます。
ひとつなにとぞ、今後ともよしなに。

次回も「宗教・神話からみるドラクエ人物考」つづけていきますお!
次回の犠牲者は、ドラクエXから、みんなだいすきトビアス先輩だよ。

おたのすみに。
マキさんでした~

〈参考文献〉
『鑑賞のためのキリスト教美術事典』
2011年・視覚デザイン研究所
『西洋美術で読み解くキリスト教』
2011年・宝島社


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