ヒヤッホゥこんばんは
ドラクエ総合大学のマキ学長でえす
なもんで、ときどきドン・モグーラコイン買って、サポ仲間連れて迷宮に行くんですよね。
でもダルイとは全然思わなくって、もうモグラの登場から3年以上も経ってるのになぜだか全然飽きなくて。
今でも何度行ってもすんごく楽しいんです、ドン・モグーラ。
おどけた感じもありつつ緊張感もある、ビッグバンド風BGMもだいすき
ところが一つ困ったことは、サポート仲間はジャンプできないので「大地揺らし」を避けてくれないこと…。
なので調子よくバトルが終盤まで運んでも、モグラがテンションageageだったりしたら、大地揺らし一発で全員即死亡、はい全滅!ってパターンもけっこうある!
そしてそういうときにかぎってサポ僧侶さまは聖女もホップスティックもしてらっしゃらなくって全員アイコンガラ空きなのだ。
オイオーイ!
この、AI機能を搭載したサポート仲間というシステムは、MMORPGに組み込まれるしくみとしては、きわめて珍しいものです。
そんなわけでして学生しょくん、今宵はAIについてかたりあいましょう。
AI戦闘といえば1990年のドラクエ4でシリーズに初登場したシステムでした。
それ以前からコンピュータゲームにAI機能が搭載されることは多くありましたが、プレイヤー側ではなく、おもに敵側の行動制御に使われていたといいます。
パッケージにも「人工知能」なんて書いてありました。
新しい時代に立ち会った感がして、ワクワクですよね
日本中を「アイってなんなのさ」とざわつかせたドラクエ4のAI戦闘。
そしてこのなぞの機能を頭にのっけた仲間たちがくりだすトンチンカンな行動の数々…。
知らないという若者たちのために、学長がおしえてあげましょう。
かたや踊り娘マーニャは、ほのおの戦士めがけてメラミを撃ち!
こなた神官クリフトが、ボス戦のたびに必ずワンチャン狙ってザラキを試す!
そんな、けっこうしょーもない行動をとりがちなのがドラクエ4のAIだったのですが、4のAIは、いまわたしたちが10で体験しているAIとは根本的に性質が異なるようです。
ドラクエ4のAI…学習型AI
ドラクエ4の仲間たちは、初めて会うモンスターに関する知識がなく、おなじ敵とくりかえしたたかうことで「あ、メラは効かないんだな」ということを学習して、どんどん賢くなっていく学習型のAIが組み込まれています。
(リメイク版では異なるようです)
ドラクエ10のAI…既知型AI
対して、10のサポート仲間は、初見の敵に対してもどういう行動をとるべきか心得ている、既知型AIになっています。
(どう呼ぶのか分かんないので既知型っていうのは学長が勝手になまえつけました)
はじめてダークキングに挑んだ時、サポ入りで行ってみたときのことを思い出しますね。
マキさん本人は、なにがなんだかわかっていないのに、サポがちゃんとダークテンペストのとき集合してたので、あわててついていったのが懐かしい。
現在、世界中でいろんな分野で実用化されるようになり、わたしたちが耳にすることの多いAIは、ドラクエ4に搭載された学習型のAIに近いものだと言われています。
ドラ10のサポ仲間の方がずーっとかしこいけれど、ドラクエ4のAIのほうが、「マーニャ、最初の頃に比べて賢くなったなあ」などと実感できて、いっしょに成長している感じはあるのかもしれません。
ちなみにドラクエ10でも、最初期のサポ僧は天使の守りを使わなかったし、魔法戦士は頑としてMPパサーをしてくれなかったりしましたっけね。
けれど、われわれの電脳神、青山大先生たちによるたゆまぬ努力の結果…!
いまではサポート仲間はめちゃくちゃ賢くなり、MPパサーもマジックルーレットもちゃんと使ってくれるし、余裕があればキラポンもしてくれるし、たたかいのビートよりも先にかぜきりのまい使ってくれる、たいへんお利口さんになりました。
青山大先生の著書『ドラゴンクエストXを支える技術』によれば、ドラクエ10のAI戦闘は大きくわけて二種類のノーミソが用意されているそうです。
①敵モンスター用の脳みそ
特徴:ややおばかさん。
状況に応じ、最適な行動を選択する機能はない。
なので、スコルパイド戦で言われるように、プレイヤー側が敵のAI行動を把握し、有利にバトルを進めるいうことが可能になります。
②サポート仲間用の脳みそ
特徴:けっこう賢い。
仲間のHPやMPの減り具合を考えながら、そのときどきで行動を変えることが出来る。
ちなみに天地雷鳴士がよびだすカカロン様などのげんまちゃんは、あえて脳みそ①「ややおばかさん」を搭載しているということで。
まあなんていうかそのトンチンカン具合を楽しんでいただきたい、みたいなことを大先生も言うとりました。
そうか、おばかだから、戦闘が楽しいんだ。
そう、マキ学長は気づいたのでした。
かんぺきじゃない脳みそを持った、かんぺきじゃない仲間たちが、大地揺らしで沈んじゃうかもしれないから、3年経った今でもモグラが楽しいんだなあ、と。
AI(=人工知能)は、いにしえのドラクエファンなら誰でも知っている技術でしたが、一般的にはその黎明期が長かったのではないでしょうか。
とくに日本においては普及が遅く、その名がひろく知れ渡るには21世紀を待たなければなりませんでした。
今、ようやく各界へのAI導入がすすみはじめ、わたしたちはAIに仕事をとられてしまうんじゃないか?なんて心配をするようにもなりました。
じゃあAIに奪われずに済む仕事は何か?ってなると
第一位 弁護士
第二位 プロデューサー
第三位 医師
なんだそうですが、青山大先生たちがなさっているおしごとも、まさに第二位のプロデューサーですね。
ゲームって、一見するとVRとかAIとか、最新テクノロジーの集合体みたいに見えます。
でも、「どんな遊びが面白いか?」「どこにおバカなシステムを残したら楽しいか?」というファジーな問題を考えることができるのは、やっぱり人間の脳みそだけなんじゃないかなと思います。
アソビ心はこれからもずっと、人間だけが持ちうる最後のカギなのではないでしょうか。
ばからしいこと、くだらないこと、非合理なことを楽しめるのがわれわれオタクのすばらしいところ、だと学長はおもっています!
そんなアソビ心を、わたしたちはこれからもずっと大切に、胸にだっこして歩いていきたいものですね。
〈参考文献〉
『ドラゴンクエストXを支える技術』
青山公士
2018年技術評論社
『会社四季報業界地図2019年度版』
2018年・東洋経済新報社
〈参考サイト〉
https://wikiwiki.jp/dqdic3rd/【AI】