ちょっと1週間ほど沖縄~台湾文化をめぐる旅をしていました
マキ学長です
やあやあ皆さまごきげんよう!
これ、台湾の台北市でおとずれた、中正紀念堂という巨大なたてものなんですが
ドラクエ10のハウジングで使える、スモールタワー和風にちょびっと似ていますね!
海外に出掛けてもそんなことでエヘヘと喜ぶ、学長のどーしよーもないドラクエ脳。
さてさて今日は、そんな台北市をたんけんしていて見つけた「ドラクエのふしぎ」について語りたいと思いますよ。
台湾でマキさんをとらえた、ドラクエ的ふしぎとは?
じゃーん
くびかりぞくです。
とんだりはねたりキョロキョロしたり、いつも元気いっぱいのみなさん
ドラクエ10では闇の領界で登場したくびかりぞくのみなさんは、ドラクエ2にてシリーズ初登場を果たしました。
2ではめちゃくちゃ強かった。
経験者のみなさまにおかれましては、テパの村周辺で何個もこいつらにくびをかられていたことでしょう。
そんな積年の宿敵、くびかりぞくのルーツを、遠く台湾の地からあばいてやろうじゃないの、というのが本日の学長の講義です。
どうして台湾かっていうとだね…
今回の台湾への旅で、マキさん、くびかりぞくのふるさとを発見したからなんでーす!
台湾各地では、今でも原住民族が古き習俗を守りながら暮らしており、その数は39万人、全人口の2パーセントといわれています。
消滅や、大陸から渡ってきた漢民族との同化をまぬがれ、現在でもはっきりとした系譜が続いている民族は9つ。
そのうちのタイヤル族に、くびかりの風習があったと伝えられています。
いまも台湾の広範囲にくらすタイヤル族。
画像引用:台湾原住民博物館HP
Copyright 2006 Shung Ye Museum of Formosan Aborigines. All Rights Reserved.
古来より、タイヤル族は戦いや狩猟に長けた民族でした。
敵対する部族と遭遇すると、うしろからそーっとしのび寄り、短剣で奇襲して相手をたおし、そのあとくびをもらいうけたそうです。
くびかりは当初、宗教的な意義で行われ、取ったくびから生命力を得ることによって部落の繁栄を祈念していたと言われています。
時を経てタイヤル族の中ではくびかりの意味合いが変化してゆきます。
いくさに勝利し、異種族のくびを取ってくることが「一人前のあかし」と考えられるようになっていったそうです。
くびかりの習俗は台湾以外にもマレーシアやミャンマー、ニュージーランドの原住民であるマオリ族にも存在していたもよう。
これらの民族はすべて南島系といわれる植民地性の民族で、その祖は、もとをたどればみな台湾にあるのではないかともいわれています。
つうことで、
なんとマキさんは今回、ぐうぜんにも、くびかりぞくのふるさとに来てしまったようです!
というわけで、ワクワクドキドキくびかり研究のため、学長がバスにゆられておとずれた場所はココ
台湾原住民博物館
画像引用:Taiwan Panorama
https://www.taiwan-panorama.com.tw
地下1階の「信仰と祭礼」コーナーにくびかりぞくの資料が展示されていましたよ。
館内は英語でも解説がされていて、日本語のオーディオガイドもあるのですが、くびかりに関する文書だけがなぜか中国語オンリー。
なんか外国人に読まれたらまずい文章でもあるんだろうか、そんな面白そうなもの絶対読んでやるぜとウキウキしながら、Google先生といっしょにがんばって解読し、今回のブログに活用させていただきました。
今日のブログではもちろん紹介しないけれど、この博物館にはくびかりぞくのショッキングな写真とかもあるから、行ってみたい人はかくごをきめてね!
ではここで、
われらがドラクエのくびかりぞくのプロフィールも確認してみましょう。
くびかりぞく
系統 怪人系
出現エリア
闇の辺獄、神墟ナドラグラム
まめちしき
あざやかなオノさばきで獲物の首を狙う名ハンター。
戦うことのよろこびで常に笑顔を浮かべている。
一人前として認められるため新月の晩 ひとりきりで獲物を仕留めに旅立つ。
失敗したら一族から追放される。
ふむむ。
くびかり行為の目的が一人前として認められるためであり、失敗したら仲間はずれにされる、というのは台湾のタイヤル族と似ています。
タイヤル族の男子は、たたかいに勝ってくびをとってこなければ、一族のしるしであるイレズミを入れることが出来なかったり、結婚することが許されなかったそうです。
また、夜にひとりきりで出かけるということなので、正面からの攻勢でなく奇襲作戦をとるところもタイヤル族に似ているかも。
10では真っ暗な闇の辺獄にくびかりぞくを登場させているあたり、ドラ10制作陣の中にも民俗学ツウな人がいるのかもしれませんね。
なぞが残るのは、その服装や身体といった、外見的特徴です。
ドラクエのくびかりぞくは、ドラクエ2から現在まで基本的に同一のデザインですが、ドラクエ8、10やリメイク版では盾が追加されました。
ドラクエ2のくびかりぞく先生
服は、見た感じ、古代ローマなどの軽装歩兵のようなイメージ……といえば聞こえはいいですが、なんかどっかで見た勇者の格好にも似ているし、はっきりゆってすごい適当にデザインされちゃったような印象すら受けてしまいます。
ご尊顔のアップ
ドラ10をやるまでは、くびかりぞくの肌の色は、からだが緑、かおが黒なんだと思っていました。
けど、ドラ10版のアップ写真を見てみると、顔だけ質感がすこし違い、素肌ではないようにもみえます。
黒い仮面で顔全体をかくしているか、フェイスペイントのようなもので真っ黒に塗っているような気がしてきました。
服装のデザインは、軽鎧にサークレット、マント、と、非常にドラクエ的でありながらもオーソドックスすぎるほどオードックス。
そして顔面にいたっては黒い何かで覆われ、本来の肌色や顔立ちといった特徴をかくしている。
加えて、ドラクエ8からは盾を持たせ、よりヨーロッパ的なデザインに寄せることで野蛮な感じをさらに低減し改良を加えた。
これは、モンスターを登場させるにあたって、くびかりという実在した習俗をモデルにしつつも、現実世界の特定の民族をイメージさせないように配慮した結果なんじゃないだろうか、とマキさんは思っています。
※ あっ、マキさんだいじなこと言うの忘れてた!
台湾のタイヤル族は今も存在する民族ですが、くびかりはもうやってないから安心して台湾に小籠包たべにいってね。
1930年代、戦時中の日本が台湾を統治した時代に禁止され、消滅しております。
にくじる大好きマキさんは、小籠包20こくらいたべました!
それじゃあ今日の講義はここまでだよ!
今日から超へたくそトラシュカがんばります。
マキ学長でした!
参考サイト:
● 臺灣原住民博物館公式サイト
● Wikipedia「台灣原住民」
● ドラクエ10最強攻略モンスター図鑑
参考資料:
臺灣原住民博物館展示史料