DQX相方文化十年史 Vol.3「2017年~2019年の相方文化」

つれづれなるままに、10年間、PCにむかひて、ティアにうつりゆく相方たちを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそ十年史となりけれ。

吉田兼好「徒然草」より


やあみなさんこんにちは。
本日もやるき! げんき! 相方研究だいすっき!

マキ学長です!


これまでの講義では、初期アストルティアの相方的歴史事項を学習してきました。

前回までの講義

DQX相方文化十年史 Vol.2「2012年~2016年の相方文化」

2023年2月18日

DQX相方文化十年史 Vol1. 「相方文化前史」

2023年2月11日


本日は2017年から2019年、コロナ禍以前の中世相方界の歴史を学んでまいりましょう。
この時代、相方文化は幾多の危機にさらされていました。

ゲーム内不倫事変の勃発!
アンチ勢からの猛烈な批判
そしてついにはDQ運営による恐怖の日誌大検閲……!

名づけて相方大迫害時代にございます。
大ブームだった相方文化はなぜ受難の時代を迎えてしまったのでしょうか。
当時起こった事件や流行現象などとともに振り返ります。

もくじ
相方文化史年表 2017年-2020年
2017年 | リアル発展狙う「第二次相方ブーム」
2018年 |「映え文化」とパシャ活勢の台頭
2019年 | 日誌大量削除!相方大迫害時代

おまちかね!当大学名物「相方文化歴史年表」からGo!

列島の相方文化ファンのみなさん大変お待たせしました。
当大学が誇る下世話と悪趣味と執念の結晶、相方文化歴史年表から Check it out!!


オッケェエーイ!
ちゅーかこの年表どうやって作ってると思う?

① 当大学も推奨の公式歴史書『アストルティア十年史』で界隈に関連する事項を調べる!
② 冒険者の広場で関連するニュース・トピックスを以下同文!
③ 自分のブログ・メモ・記憶に残っている事項と合わせて編年体で並べる!
④ 「DQX大辞典を作ろうぜ」様や、他人様のブログで史実と相違ないかチェック!
⑤ パワポでなんかいいかんじにまとめる!

うん我ながら狂気のこだわり!
10年分の歴史年表作るのにたぶん半年くらいかかったよ、まったく学長は頭おかしいね!
でもさここまでやったからには、国立国会図書館の資料として収蔵されることを目指しまーす♡

というわけでぼかぁ疲れてるんだよ、だから学長は今日も変なすーぱーはいてんしょんからの超ハッスルダンス!!
以下、はりきって解説しちゃいますので キャッチ・ミー・イフユーキャン!

2017年|「まずはどこチャで」リアル発展狙う第二次相方ブーム

 
2017年9月。
DQX運営はまたひとつ革命的なコミュニケーション機能どこでもチャットを実装しました。
今でこそ当たり前の存在となったどこチャですが、実装時はプレイヤーに大きな衝撃を与え、冒険者の広場をはじめ、ブログ、掲示板などで大きな話題となりました。

「ゲームとリアルの区別がつかなくなりそう!」
「直結厨が悪用するに決まってる!」
とベテラン世代が批判色を強める一方で、子どもの頃からネットやSNSが身近にあった若年者層には、なかば当然の流れとして受容されたのではないでしょうか。

バーチャルとリアルの境界線があいまいであることは、Z世代以降の若者たちの大きな特徴であると言われています。
われわれアストルティアの老人たちがどんなに直結ガー!モラルガー!!と不平をたれようとも、時代はとどまることなく移りにけりな、いたづらに。
DQX運営は消費の中心となる若年者の取り込みに向けた投資をますます強化していくものと学長は予想してオリマス。

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相方日誌はなぜ絶滅してしまったのか

2020年2月9日


賛否乱れ飛ぶ中で登場したどこでもチャットは、相方界に大きな変革をもたらしました。
従来、女子たちは非常にリアルのガードが堅く、相方募集はしていても、「ゲーム内のみ限定です。リアル求める方はお断り」などと直結系男子たちを断固拒絶しているケースが多くありました。
しかしどこチャの登場によって、LINEや通話はだめでも「どこチャならOK」とする女子たちが激増。

うおおおおおリアル発展にワンチャンきた!
相方募集のりこめえええ!!!!
野郎共が眼の色変えて広場になだれ込むと、相方募集投稿数はうなぎ昇り。
広場には「まずはどこチャからお願いします!」「ログアウト中も話せる人募集します!」とリアルでも交流できる相手を求める投稿が殺到しました。

2017年12月、野郎共の背中をさらに押す出来事が起こります。
DQX運営はサービス5周年を機に、プレイヤーから募集したDQX体験談を「冒険者たちのきせき」として発表。
その中になんとまた、プレイヤー同士のドラクエ婚エピソードがあったもんだから、まーこれがまた、批判論者たちの熱いヘイトを集めることとなりました。

冒険者たちのきせき EPISODE③「時と場所を越えて、アストルティアで出会って」より


アーーーーー こらあかんわー、あかんやろついに公式がドラクエ婚推奨してきよったこりゃあかんやろー!!という集中砲火もなんのその、相方募集は天井知らずの大激増。
またコイツラときたらすぐ調子に乗るので、「関東在住の女性限定!」「20代♀限定で!」とリアルの条件をつけた相方募集も多く見られるようになりました。

そんなわけだからついに2017年、君はあの時代の地獄のような広場を見たか?
フレンド募集日誌の半数が相方募集!
右を見れば「独身者限定相方募集ルーム!」
左を見れば「既婚者にご理解あるペア活ルムメン募集!!」
広場のどこにも逃げ場なし!
これぞまさに末法の世!!
2017年の広場、あれは本当に…… この世の終わりのような光景でした。

昔の相方募集と言えば「魚男がいい」「エル子がいい」「人間男は✕!」と種族に対する注文が多かったのが一転、ゲーム内の種族なんてもーどうでもよくなったらしい。
まーそらどうでもいいわな。
まったくもうお前らときたら、そういう素直なトコ本当に愛くるしいよね!!


かくしてどこでもチャットが契機となり、相方恋愛がリアルに波及し始めた時代を、わたくしは第二次相方ブーム期と呼んでおります。
日誌やゲーム内お手紙で愛を囁き合っていた第一次ブーム期(2013-2015年頃)と異なり、この時代にはDQXをあたかも月額1,000円のマッチングアプリ(ドラクエ付き)として利用するヤカラが跳梁跋扈したため、アストルティアの風紀を案じるプレイヤーからの非難は一段と強まっていきました。

2018年|「映え文化」とパシャ活勢の台頭


アストルティアにおけるカメラ機能の進化は、ペアコーデの流行、パシャ活相手の募集といった相方界のムーブメントを支えてきた重要なエッセンスの1つと言うことができます。
2018年以降のカメラの進化は特に伸長著しいものがあり、セルフタイマー、フォーカス、フィルター、キャラクターの表示OFF、フレームと怒涛の勢いで新機能が追加されてきました。

DQXの写真機能が充実してきたことの背景には、現実世界の世相が反映されていると言えるでしょう。2017年末、「インスタ映え」が年間流行語大賞に選ばれました。
人々は映える風景を求めて街を歩き、おしゃれなお店でフォトジェニックな飲食をするようになりました。
ただ、それを現実の世界でやるには、お金も時間も、距離の問題もある。
一緒に行ってくれる人がいなかったりもする。
でも、それらをまるっと解決するのに最適な世界が、私たちには……ある!


あとは……
あとは映えるカレシさえいれば……!

こうしたプレイヤーの思考はおもしろいほど当時の相方募集日誌に反映されていたわけです。

「ペアコーデしてパシャ活できる方いませんか?」
「エンド行きません!スタジオめぐりしましょう!」
「種族はウェディ男さん一択!」(映えるからね)

全くおまいら相方勢ときたら本当に、いつの時代も呆れるほどにわかりやすいよな……!好き!

DQXが写真機能を充実させ、アストルティアで最も魅力的なコンテンツの1つとして育て上げたことは、非常に大きな資産となりました。
「外出しなくても美しい景色を楽しめる」「盛れてる写真を撮れる」、こうしたアストルティアの付加価値は、はからずも後のコロナ禍で多くの新規プレイヤー参入に結びついたと言えそうです。

2019年| ついに運営が日誌を大量削除「相方大迫害時代」へ


どこでもチャットの登場以来、ゲーム内恋愛からしだいにリアル志向の恋愛文化へと遷移していた相方界において、このトレンドををますます強める契機となる出来事が起こりました。

(S女史の残像)


2018年7月、相方勢として著名であった某魚子さんが妻子ある魚男と相方関係となり、相手方の親族がSNSでその関係を告発した伝説の事件、Sさん事変
事変は彼らの破局という形で終結しましたが、騒動のあまりの大きさに、有事をおそれた相方勢は「トラブル回避のため、既婚者の方はご遠慮ください」などの文面を相方募集投稿に記載して安全措置を講ずるようになりました。

こうしたトレンドが流行すると、しだいに「20代社会人独身♀です!」「18歳学生。魚男中身一致です!」と、年齢や職業などのリアル情報を開示した相方募集が増加。
しまいには「こちら大阪20代後半♂です。近隣県同年代の相方募集します」という相方募集最終形態が広場を埋め尽くす事態に発展しました。

事態を重く見た相方批判論者たちは提案広場や5ch掲示板などで圧力を強めていましたが、かれらが相方勢への弾圧をさらに強めるきっかけとなったのが、公式の恋愛マンガ「ゆうべはおたのしみでしたね」の連続ドラマ化です。
DQXの辣腕プレイヤーとしても知られる人気俳優の本田翼を主演に据えたドラマが2019年1月に初回放送を迎えると、冒険者の広場には、「ドラマを見てドラクエ始めました!」「ゆうたの見てたら復帰したくなりました!」の投稿がワンサカ。
そしてドラマの内容がプレイヤー同士の恋愛ですから、まあ面白いほどに相方募集の日誌も増えました。


すると、ついに憂国の相方批判論者たちが強硬な行動を開始。
提案広場には相方募集の禁止を求める怒号が飛び、さらにはスクウェア・エニックス社の株主総会で、社長に直接対応を要請する株主プレイヤーも出現(わたくし臨席しておりましたので現場を確認済み。社長相手にそんなことよー言うわと思いましたが)。

そんなある日、静観を貫いていたDQX運営がついに対策に乗り出します。
私の記録によれば、2019年2月頃から、投稿された相方募集日誌が次々に姿を消すという事象が確認されるようになりました。
日誌が運営によって削除されたか、あるいは警告を受けて投稿者が自ら削除したものと思われます。


また2019年7月、運営はサービス開始後はじめて広場利用者のペナルティ件数の公開に踏み切りました(RMT・詐欺行為への取り組みに関するご報告 – 2019/7/9)。
報告には「広場では、どのような対応を行っているのかとのお問い合わせをいただく機会」があるため、公開に至ったと記載されています。
それが相方募集に関する苦言であると限定することまではできませんが、当時の広場の環境に関して、多くの意見が運営に寄せられたものと推察することができます。

各月の「RMT・詐欺行為への取り組みに関するご報告」をもとにマキ学長作成。
2019年5月以前の数値は公表されていない。


コチラ、運営が公表している冒険日誌関連のペナルティ件数をグラフにしたものですが、当時、月平均100件超の投稿が運営による焚書・坑儒を受けていたというのは驚くべき事実です。
ペナルティ対象となった日誌は相方募集とは限らないので、個人の誹謗中傷を含む日誌、ちょっとアレなプレイべの告知なども含まれることにご注意ください。
それにしたって多すぎるだろうが! ア”ア”ン??!
ちょっとは慎め!
いやもっとやれ!


というわけで、ついに激怒した運営によって大量の相方募集日誌が削除された(と思われる)この時代を、相方文化大迫害時代と呼びます。
運営の粛清によって徐々に数を減らしていたペナルティ件数が2020年春頃からふたたび急増しているのは、コロナ禍の外出自粛によってヒマな人が増えたり、新規プレイヤーが参入したことによるものと思われます。
「コロナ禍と相方文化」については、次回の講義で詳しくお伝えしたいと思います。


さて、運営は相方募集に対する厳しい姿勢をさらに強めてゆきます。
2020年1月末に発表した「2019年不正行為者対応まとめ」 で、DQX運営はサービス開始後はじめて相方募集に対する警告と思われる声明を掲載しました。

目覚めし冒険者の広場において、現実の出会いを目的とする投稿にはお気をつけください。
ごく一部ではありますが、現実世界での出会いを目的とした投稿が行われていることを確認しており、適宜対処を行っております。

SNSやオフ会などの現実世界でのコミュニケーションを否定するものではありませんが、当初から現実世界で会うことを目的とした人物と交流した場合、現実世界でのトラブルに巻き込まれる危険性があります。性別や年齢を条件にしているなど、現実世界で会うことが前提になっているような投稿には反応しないようお気をつけください。

2020/1/28トピックス「2019年不正行為者対応まとめ」より 

コチラの超ありがたい訓示は毎年恒例となっておりまして、全広場民に向けて今なお発出されつづけている戒めであります。
みなさんどうか調子に乗りすぎることなく、明るく!たのしく!そしてときには不健全に!
住みよい相方文化の育成と保存に邁進してまいりましょう(2023年分の訓示)。


ハアイ今日もたっぷり楽しんでもらえたかな?
さて次回はいよいよ相方文化十年史、最後の講義となります。
2020年以降、ウィズコロナ時代の相方界にはどのような出来事があったのでしょうか。
サービス開始から10年を迎えたアストルティア相方文化の現在地をレポートしていきますYO!

ほんじつの授業はここまで。
マキ学長でした!

〈参考資料〉
・目覚めし冒険者の広場 各年版「不正行為者対応まとめ」
・同 各月版「RMT・詐欺行為への取り組みに関するご報告」
「ドラゴンクエストXオンラインアストルティア十年史」2022年10月スクウェア・エニックス
・「DQ10大辞典を作ろうぜ!第二版wiki」