学生諸君、コンバンワ!
今日も元気だ冷やし中華が美味い!
マキ学長です。
今日はネトゲ恋愛研究家のマキ学長がお送りする!
アストルティア恋愛ラノベです
舞台はツスクルの村、オートマッチング防衛パーティをテーマにしたお話だよ♥
ちょっと嘘でしょ?
敵が蒼怨のゾンビに切り替わったジャスト0時
一番乗りのオートマッチング
同盟PTにアイツがいた
軽く2年以上エアフレだったアイツ
久しぶり、頑張ろうねって
軽く声かければいいのに
できないあたしがいる
何を意識しちゃってるんだろう
あたしに気づいているかな
それとも忘れちゃったかな
エル子のフレなんてたくさんいるよね
初めて会ったのは、フレのユリナがリーダーしたドレアムPT
アイツは同じPTに入ってきたどうぐ使いのウェディ男だった
あのころのドレアムはまだ
MP枯渇で時間切れになることが多くて
範囲化したせいすいを配ってくれるアイツはちょっとカッコ良かった
案の定、解散後もアイツは
スレアの砂浜で女の子たちに囲まれてて
みんながアイツにフレ登録をせがんでいたから
じゃああたしも、って申請した
だけどそれっきり
ときどきユリナと遊ぶことはあったけど
あれからアイツと一緒に組む機会はなかった
まあ、あんなモテそうなやつ、
好きになったって疲れるだけだし
そう自分に言い聞かせて諦めたこと
ボンヤリ思い出しながらあたしは
けさぎりを倒してた
だけどなんだかみんなの動きがおかしい
気づいたときにはあたしの周りには
誰もいなくなっていた
嘘!聞いてない
これって討伐めざすPTじゃん
占い師以外のメンバーがみんな前線に上がっていく
どうしよう、討伐なんてしたことない
動きも全然分かんないし
宝珠だってテキトーなまま来ちゃったよ…?
「ガジェチャージしました!」
「レボル入りました!」
「よっしゃ!災禍きたよ」
デゾスへの集中攻撃の合図が今にも迫ってるのに
まだ攻撃地点にたどり着いてなかったあたしはもう滅茶苦茶焦った
おまけにサーバがちょっと重くて
まるで夢の中みたいに足がもつれてうまく走れない
やっぱゆるふわエル子って地雷ww
そんなふうに晒されるなんて絶対嫌だ
もうどうしよう…!
「オレにツッコミして」
今にも泣きだしそうな
あたしの視界の端で
とつぜんピンク色のフレチャが光った
え、嘘…
アイツだ
みんなが待機してるボス前まで行かずに
アイツが振り向いてあたしを待っててくれてる
夢中でコマンドを選んで
その背中にタッチした
ツッコミがMissになる瞬間
アイツも地面を蹴って
ふたりいっしょに走り出した
またひとつピンクの吹き出しが鳴る
「大丈夫だから」
不覚にも涙が出そうになった
「大丈夫だから」
横顔のアイコンと
オクターブ高いメッセージ音が
心の弱いところをキュっと掴んでくる
デゾスが消えた時点で残り時間は5分
正直、勝算は低い
だけどこのバトル、
絶対に討伐成功したいと思った
もし勝てたら、
もし勝てたら、あたしから
今度はあたしからアイツに話しかけるんだ
勝機があるとすれば災禍猛攻
このバトルではまだ一回も
あたしのチャンスが発動してない
残り1分
お願い……
ねえお願い、降りてきて、あたしの災禍!
祈るように決定ボタンを押したその一瞬
マッゼの念じボールを受けて瀕死になったあたしの
一度選びかけたコマンドが消えて
ピンク色の文字が光った
「さ、さいか……
災禍ありまぁす!!!」
裏返ったあたしの叫びに
どうぐ使いのドワ男が
無言でガジェットを合わせた
誰も何も言わなかった
無言でただただ攻め続けた
あたしも死に物狂いでマッゼの喉笛に爪を振り下ろした
唸れライガー、深くしゃがみ込んで十分引きつけて
剥き出しの顎骨にくれてやる会心の一撃
ウォークライを待つ間ももどかしく
あーあ、あたしきっといま鬼みたいな顔してる
こんなんじゃ、アイツが好きになってくれるわけないよね
こんな激しいバトルの最中なのに
なんだか笑えてきちゃった
買ったばかりの
お気に入りのシュメリアブレス
小さなパールがはじけ飛んで落ちた
残り時間がゼロになるのとほぼ同時に
リーダーのドワ男が
空に向かって拳を突き上げた
高々と誇らしく
振り上げたその腕はズングリと短くて
みんなで笑った
戦利品の宝箱からは
前からほしかった速度埋めのブーメラン
うれしくて、抱きしめていたら
ピンクのフレチャがまた光っている
「終わった後、時間ある?
鯖20の酒場で待ってる」
「わかった、少しだけ待ってて」
壊れちゃったシュメリアブレス
バザーでもう一度買ってから
会いたいの
アストルティアの出会いの場は、ジュレ1だけじゃないんだからー♥
どこに転がってるか、わかんないんだかんねっっ
つうわけで、オートマッチで出会っちゃうおはなしでしたーっ
きゅんきゅん!
深遠にして滑稽なるネトゲ恋愛の世界をもっと知りたくなりましたね?
グフフ。
そんなあなたにオヌヌメのオリジナルラノベ、まだまだありますぅ