どうもです
みなさんごきげんいかが
マキ学長です!
えーとね本日の講義は、Ver4世界のお話をしまーす。
とくに、
4.4に登場するあたらしい街の画像やエピソードがたくさん出てきますので、まだ見たくないよ~というひとは、またこんど来てくれてもおっけーさ。
さて。
Ver4のシナリオって毎回、ちょう面白い!
マキさんはそう思ってます。
Verが進み回を追うごとに、おはなしのボリューム自体は小さくなってきているような気もしなくはないんで、まったく不満がないわけじゃないんですが!
それでも各回のストーリーは、ぎくりとするような人間の業の深さが描かれたお話ばかりだし、サブキャラでくりかえしプレイしても、毎回なにかしら思う所あって、とてもたのしいです。
それでも各回のストーリーは、ぎくりとするような人間の業の深さが描かれたお話ばかりだし、サブキャラでくりかえしプレイしても、毎回なにかしら思う所あって、とてもたのしいです。
Ver4.0、早々から、強権的な書物「時の指針書」が登場。
この本の所持を国民に強制することで思想・行動統制をおこなう専制君主ドミネウス、そして禁忌の人工生命、魔法生物がうみだされました。
その支配から逃れた人々によってつくられた共産主義的社会「自由人の集落」も、なかなかの存在感を示しておりましたね。
「個人資産は没収、すべてを平等に分配せよ」と訴えていた毛沢東のようなモグラ。
4.3では極端な軍国主義国家ウルベア帝国が、そして最新の4.4では、個人の権利や主体性がはく奪された全体主義社会アルウェ―ンが登場。
目が怖い
まー出るわ出るわ、いわゆる「ちょっとヤバい思想」「ヤバいシステム」のオンパレード!
毎度こんな黒い話を聞かされて、わたしたちはコワくて参ってしまいそうなものですが…。
「ドラゴンクエスト」の持ち前のキュートさ、ポップさ、ある種のチープさ具合によってうまいこと加減されているからこそ受け入れられるし、同時にシュールさが出たりしているわけですね。
ウン、まことによろしいですわね♥
さて、ここでマキさんがごしょうかいしたいのは、SF作家の星新一(1926-1997)。
(画像引用:Amazon、以下同じ)
星作品のいちばんの特徴は、どのおはなしもだいたい原稿用紙10枚ぐらい、という短さでして、のちにショートショートという分野を確立したのもこの星せんせいと言われております。
星ワールドにはどういうお話が多いかと言いますと…。
発達しすぎてしまった文明、進化しすぎてしまった人間たち、あるいは自分の欲深さに打ち勝てない人間たちががひきおこす「ちょっと怖くてブラックな小話」、とでもいったところでしょうか。
『声の網』1970年 星新一
すべての情報がネットワークで結ばれた世界では、電話をかけるだけで医者の診察を受けたり、ほしいものが何でも手に入る。でも、「なんだかいつでも監視されているような気がする」のだ。
この『声の網』が書かれたのは1970年、約50年前。
ですが、驚くなかれ。
ネットでなんでも手に入るし、知りたいことに即座にアクセスできるけれど、そのかわりすべてがネットワークの下に管理され、自分の情報がいつだれにどう利用されるかもわからない…という、まるで現代のネット社会を予見しているかのような内容になっているのです。
Ver4.4で登場するプクリポの街アルウェ―ンも、「市民登録」によってすべての民の情報が管理されています。
アクセス権限を持った者だけが、好きなときに好きな情報を引き出して利用できるシステムがととのっている…。
そんなアルウェ―ンの街はうすら怖いけれど、いやいやいや。
今わたしたちは、まるでアルウェ―ンそっくりの世の中に暮しているじゃあないか。
プクランドらしいとってもキュートな街並みのなかで、全体主義的な統制社会に服し、奉仕活動にいそしむプクリポたちは非常に不気味で、この世界のおかしみをさらに際立たせています。
『おーい でてこーい』1958年 星新一
ある日突然地面にあらわれた大きな穴。
「おーいでてこーい」と呼んでも誰も出てこない。ちょうど良いので人類は、この大きな穴をゴミ捨て場にした。排水、産業廃棄物、身元の分からない死体、なんでもかんでも捨てまくったその先には。
『おーい でてこーい』は、人間たちが後先考えずにつぎつぎとモノを生産し、つぎつぎと不用物を廃棄していくさまを描いた物語。
ドラ10のVer4.4にも、やたらかわいいデザインのくせにヒトさえも飲み込んでしまう、超こわいゴミ処理場が登場しましたね。
ゴミとして捨てられたマキさん。だっしゅつ!
こんなふうに、Ver4の世界って、随所に星新一ワールドっぽいところがあるなあと思うんですよ。
第一に、ロボットや人工知能、ネットワークといった近未来的要素がたくさんでてくるところ。
第二に、扱っている素材はシリアスなのに、全体的な空気感としてはフンワリしているところ。
星新一の作品は、子どもでも理解できるようなかんたんな言葉で書かれていることや、暴力などのショッキングな描写がないことにも、なんとなくドラクエの空気と通じるものがあります。
生々しさを排除し、抑制された文章でトツトツと、アブない近未来を描いた星新一。
かわいいキャラがたくさん登場するキッチュな世界でありながら、かなりブラックで際どいエピソードを展開する、ドラゴンクエスト10Ver4の世界.
どちらもふんわりした穏やかさを持ち味としつつ、「ヒトのおろかさ、こわさ、どーしようもなさは、どんなにテクノロジーが進歩しても変わらない。いやむしろむきだしになってゆく」ことを伝える作品でありつづけてほしいなあ。
そう思うのでした。
参考サイト
星新一オフィシャルサイト
http://www.hoshishinichi.com/
参考文献
(いずれも星新一著)
『マイ国家』1968年新潮社
『おーいでてこーいショートショート傑作選』2001年講談社青い鳥文庫
『声の網』1970年講談社
この本の所持を国民に強制することで思想・行動統制をおこなう専制君主ドミネウス、そして禁忌の人工生命、魔法生物がうみだされました。
その支配から逃れた人々によってつくられた共産主義的社会「自由人の集落」も、なかなかの存在感を示しておりましたね。
「個人資産は没収、すべてを平等に分配せよ」と訴えていた毛沢東のようなモグラ。
4.3では極端な軍国主義国家ウルベア帝国が、そして最新の4.4では、個人の権利や主体性がはく奪された全体主義社会アルウェ―ンが登場。
目が怖い
まー出るわ出るわ、いわゆる「ちょっとヤバい思想」「ヤバいシステム」のオンパレード!
毎度こんな黒い話を聞かされて、わたしたちはコワくて参ってしまいそうなものですが…。
「ドラゴンクエスト」の持ち前のキュートさ、ポップさ、ある種のチープさ具合によってうまいこと加減されているからこそ受け入れられるし、同時にシュールさが出たりしているわけですね。
ウン、まことによろしいですわね♥
さて、ここでマキさんがごしょうかいしたいのは、SF作家の星新一(1926-1997)。
(画像引用:Amazon、以下同じ)
星作品のいちばんの特徴は、どのおはなしもだいたい原稿用紙10枚ぐらい、という短さでして、のちにショートショートという分野を確立したのもこの星せんせいと言われております。
星ワールドにはどういうお話が多いかと言いますと…。
発達しすぎてしまった文明、進化しすぎてしまった人間たち、あるいは自分の欲深さに打ち勝てない人間たちががひきおこす「ちょっと怖くてブラックな小話」、とでもいったところでしょうか。
『声の網』1970年 星新一
すべての情報がネットワークで結ばれた世界では、電話をかけるだけで医者の診察を受けたり、ほしいものが何でも手に入る。でも、「なんだかいつでも監視されているような気がする」のだ。
この『声の網』が書かれたのは1970年、約50年前。
ですが、驚くなかれ。
ネットでなんでも手に入るし、知りたいことに即座にアクセスできるけれど、そのかわりすべてがネットワークの下に管理され、自分の情報がいつだれにどう利用されるかもわからない…という、まるで現代のネット社会を予見しているかのような内容になっているのです。
Ver4.4で登場するプクリポの街アルウェ―ンも、「市民登録」によってすべての民の情報が管理されています。
アクセス権限を持った者だけが、好きなときに好きな情報を引き出して利用できるシステムがととのっている…。
そんなアルウェ―ンの街はうすら怖いけれど、いやいやいや。
今わたしたちは、まるでアルウェ―ンそっくりの世の中に暮しているじゃあないか。
プクランドらしいとってもキュートな街並みのなかで、全体主義的な統制社会に服し、奉仕活動にいそしむプクリポたちは非常に不気味で、この世界のおかしみをさらに際立たせています。
『おーい でてこーい』1958年 星新一
ある日突然地面にあらわれた大きな穴。
「おーいでてこーい」と呼んでも誰も出てこない。ちょうど良いので人類は、この大きな穴をゴミ捨て場にした。排水、産業廃棄物、身元の分からない死体、なんでもかんでも捨てまくったその先には。
『おーい でてこーい』は、人間たちが後先考えずにつぎつぎとモノを生産し、つぎつぎと不用物を廃棄していくさまを描いた物語。
ドラ10のVer4.4にも、やたらかわいいデザインのくせにヒトさえも飲み込んでしまう、超こわいゴミ処理場が登場しましたね。
ゴミとして捨てられたマキさん。だっしゅつ!
こんなふうに、Ver4の世界って、随所に星新一ワールドっぽいところがあるなあと思うんですよ。
第一に、ロボットや人工知能、ネットワークといった近未来的要素がたくさんでてくるところ。
第二に、扱っている素材はシリアスなのに、全体的な空気感としてはフンワリしているところ。
星新一の作品は、子どもでも理解できるようなかんたんな言葉で書かれていることや、暴力などのショッキングな描写がないことにも、なんとなくドラクエの空気と通じるものがあります。
生々しさを排除し、抑制された文章でトツトツと、アブない近未来を描いた星新一。
かわいいキャラがたくさん登場するキッチュな世界でありながら、かなりブラックで際どいエピソードを展開する、ドラゴンクエスト10Ver4の世界.
どちらもふんわりした穏やかさを持ち味としつつ、「ヒトのおろかさ、こわさ、どーしようもなさは、どんなにテクノロジーが進歩しても変わらない。いやむしろむきだしになってゆく」ことを伝える作品でありつづけてほしいなあ。
そう思うのでした。
参考サイト
星新一オフィシャルサイト
http://www.hoshishinichi.com/
参考文献
(いずれも星新一著)
『マイ国家』1968年新潮社
『おーいでてこーいショートショート傑作選』2001年講談社青い鳥文庫
『声の網』1970年講談社
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