学長のかぶぬし総会日記(2019年版)

やあやあみなさんコンニチハ~
ドラクエ総合大学のマキ学長です。

学長、きのう6月21日、株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの第39回 株主総会に参じてきましたので、いそぎ、(いうて一晩寝たけど)感想文をしたためる次第です。

あっ最初にいっときますけど学長、かぶとか投資とかのことはあんまり詳しくありませんので、投機ワンチャンを狙うみなさまのお役にはたちませんYO!

学長がおつたえできるのは、ちょっとばかり事業に関する話題と、

「ドラクエシリーズエグゼクティブプロデューサーの三宅有さん(51)が相当きわどいゾーンまで攻めたツーブロックヘアだった」
とか
「去年来てたコスプレ株主の人、今年もちゃんと来ててなんか嬉しかった」
とかそういうチャーミング系のもぎたて情報ですので、まあなんていうか楽しんでいってくだされ。


DQ、FFの2大ブランドでまだまだ吸い取ったるでええ!

6月3日にドラクエウォークが発表されたDQ、まもなくFF14の追加ディスクが発売になるFF。
ともに、株主総会ではとりたてて新情報はなかったですが、マキ学長のハートをとらえた松田洋祐社長のたくましいお言葉は

「既存強力IPについては、今後ますます多角的エンゲージメントの創出に力を入れていく計画であります」

です。

なんや小難しい用語が入ってますが、学長流にこれを翻訳しますと

「ドラクエ、FFはゲームそのものだけでなく、さまざまなアプローチでファンの維持、増大をめざしていくよ」

ってことだと思ってます。
社長が言った「エンゲージメント」というのは、「お客さんに、どう関わってもらうか。どういうチャネルでお金を落としてもらうか」ということを意味するビジネス用語です。

https://gaga.ne.jp/hikarinootosan/


たとえば、ちょうど6/21公開のFF14「劇場版・光のお父さん」や、来月公開予定のドラクエⅤのような映画であったり、「ゆうべはお楽しみでしたね」みたいなドラマであったり、去年開催された「大魔王ゾーマからの脱出」のようなリアル脱出イベントだったり…。



「両タイトルのブランド力をいかして、ゲーム単体だけじゃなくいろんなジャンルで売り上げを伸ばしていくよ」

ということであるとわたしは思っていまして。
たくましき熟練商人・松田洋祐の心の声が、「まだまだ吸い取ったるでえ」という、あからさまな見出しに変換されたちゅうわけですねん。

そして、わたしの推測としては、今年はやはりドラクエウォークに賭けていくんじゃないかと思っています。
たとえば、三宅有取締役(DQシリーズエグゼクティブプロデューサー、51才、刈り上げ)からは、

「者ども、よろこべ。ドラクエウォークでは、都道府県ごとにランドマークを配置して、日本全国いずこに住んでいる者でも楽しみやすくしてやらうではないか」

というような御託宣がありました(意訳)。
詳細についてはお話がありませんでしたが、わたしは、ドラクエウォークは日本中の町おこしとか観光イベントなどにリンクできると思っています。

たとえば、すごくいいゲレンデなのにいまいち知名度が上がっていないスキー場に、「ロンダルキア台地」って名前をつけて、限定モンスターギガンテス、シルバーデビル、ブリザードに会えるようにする。
で、遊んでもらった後に提携したホテルで宿泊すると限定お部屋食「ハーゴン御膳」がおめしあがりいただけますよ、みたいな。
ちょっとこれはいま2秒くらいで考えたのでアイディアとしてはアレですが、こういう類の地域創生イベントは無限に考えられるんじゃないかと思いますし、協賛したいという地方企業や自治体もたくさんあるんじゃないかなあと。

また、DQ、FFシリーズについて言えるのは、コア世代と言われる人々が30代、40代になってお金の使い方や遊び方が変わってきていることや、いわゆる「マニア」「フリーク」が多く、ドラクエやFFに関する限定イベントやアイテムは是非コンプリートしたい!と燃える人が少なくないことだと思うんですね。

そんなシリーズ愛をググッとつかむ、イヤラシ…じゃなくて効果的な商業戦略でもって、我々はこれからもお財布のひもを握られ続けるのだ。アッハッハ。


今期は仕込みのターンが続く

いくらドラクエ、FFが強いとはいっても、万物はこれ諸行無常。
だからさしものスクエニも、次なる有力なシリーズをひねりだす必要があります。
株主総会においても、DQ、FFの新作の匂いは全くせず、松田社長からは繰り返し「新規IPの創出に力を注いでいるゆえ待たれよ」というおふれが出とりましたので、果報は寝て待ってたら、そのうちなんかあるのかもしんない。

前期(2019年3月期)決算の概況報告とともに、今期(2020年3月期)の予想実績についても説明がありましたが、前期は増収減益、今期も渋めの予想が出ました。

2019年5月13日決算説明会資料より


今期予想については、後の質疑応答で社長も「やや慎重めに見積もってる」的なおはなしをしていましたが、目立つのは設備投資の128億円ですね。

前回の記事でもちょっとふれましたが、GoogleやMicrosoftがクラウドゲームに参入するなど、今はゲーム界が動いている時期。
だから今は今後のゲーム市場でスクエニがうまく主導権にからんでいくための、有形無形の根回しが行われていると信じて…。
その花は、東京オリンピック観て飲んで騒いで寝て起きた後ぐらいに現れると信じて…。
われわれゲーマー株主は座して待つのです。合掌。

 

何回来てもおもしろいIPカンファレンス

さて、おかたい雰囲気の株主総会がおわり、オタク株主おたのしみのIPカンファレンスのお時間です。

IPカンファレンスというのは、DQ,FFはじめキングダムハーツなど個々のゲームタイトルについて、よりざっくばらんな希望や質問を、担当役員に直接お問合せできるっていう夢のようなお時間です。

株主総会本会が終わると、スーツ姿の投資家っぽい面々はだいたい帰って行き、われわれのようなヲタ臭ただよう濃いメンツだけが会場に残ります。
で、みんないっせいに前方の座席に移動します。
ゲーム愛に満ちたヲタたちは、推しゲーの担当役員の毛穴の数まで数えたいわけです。
わたしも三宅さんの刈り上げのアシメ具合をもっとよく見たかったので、すごい勢いで前進しました。

社長一行が入場する前に、会場の大きなスクリーンでE3のプロモーション映像を見せてくれたんですけど、こういうときのヲタたちの集中力はほんとにすごいです。
誰も息してないんじゃないかってくらい空気が張り詰めてた。

 


わたしも、楽しみにしてるFF7リメイクの映像と音楽にはすごくこうふんしました!
そして固唾をのんでみんなで画面を見つめてる、緊迫感と一体感を感じて、とてもバイブスアガってしまったマキ学長。



さて、スクエニ側は松田社長、山田哲氏(タイトー社長)、橋本真司氏(FF、KH担当)、三宅有氏(ドラクエ担当、刈り上げ)の4人パーティ。

きょねんの質疑応答では、熱きガチファンからのけっこうやば…おっと独特な要望も出てたような記憶があるんだけど、今年はおだやかだったんじゃないかな。

興味深かった質疑は、「最近、優秀なクリエイター陣が続々と他社に流出したり独立したりが続いているみたいだけど、クリエイターたちのサラリーやキャリアパスってどうなっているんですか」という質問ですね。

つまり「スクエニ所属のクリエイターが、将来幹部になって会社のごたごたに巻き込まれるよりも、クリエイター専従でやっていきたいと希望する場合、その社員にとって満足いくキャリアパスが用意されているのか?」ってことだと私は思ったんですけど、なるほどなと思いまして。

思い出したのは、3年くらい前にゲームコンポーザーの植松伸夫さんの講演を聴きに行った時のことです。
植松さんは実はもともとスクエニの社員でした。
ごぞんじFFシリーズの音楽を手掛けてヒットを飛ばしながらも、こっそりスクエニを退社したのですが、その時の気持ちとして「僕は、幹部になって若い社員たちの人事を決めるとか、給料を決めるとか、そういうのやりたくなかったから」と言っていたんですよね。

松田社長は、「そこは心配ありません。弊社のトップクリエイターにはそれなりの待遇をしていますよ」的な回答をされていましたが、その時かたわらにいた三宅取締役が、微妙な苦笑いのような、何とも言えない表情を作っていたような気がするのは、わたしだけでしょうか。
ごめんわたしだけかもしれない。
三宅さんカッコよくて穴があくほど見つめすぎていたので、深読みしすぎたのかもしれない。


FF15スペシャルコンテンツに出演した時の松田社長

マキ学長が、毎回「社長カッコイー」って思うのは、総会もIPカンファレンスも、ほぼ松田社長が一人で仕切り、株主からの質問もあらかたさばいてしまう、っていうところですね。
話も明快で聞きやすい。
さすがは公認会計士。

それと、株主総会がはじまるまえに、社長自らが「万一、総会中に地震とかが発生した場合の避難について」説明してくれるんですけど、そのときに社長、「私の指示に従って落ち着いて行動してください」と言わはるんです。
アッ…なんだか頼りがいある…社長わたしたちのこと先頭に立ってまもってくれるのね…///ってきもちになってきゅんとします。

平日の昼間だからハードルは高いけど、万難を排してマキ学長、来年のかぶぬし総会も列席したい意向です。
来年もコスプレの人来るかなあ。

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