”夫が女性に親身なメール” (M子さん・70歳女性)
読売新聞2020年10月30日朝刊「人生案内」より抜粋引用
夫が既婚女性とメールのやり取りをしていたのを知りました。
送信済みメールを見せてもらうと、そこには、読んだらとても平静ではいられない感情が綴られていました。
夫は「愛とか恋とかではなく、何気ないやり取りで気持ちが癒された。メールも電話もしない」と言っていますが、私は今も許せません。
どうもです 学生しょくん、マキ学長です。
ひさしぶりの、ネット恋愛研究のお時間です。
いきなり新聞の投書を紹介しました。
投稿にあるご主人のメール相手が、リアル知人なのか、ネットで知り合ったのか、そこのところは書かれていません。
なので勝手にわれわれの土俵で語るのもあまり良くないかもしれませんが、
語らずにいられるわけがないだろうが
というわけで、わたくしこの奥さまの相談相手になったつもりで、勝手に奥さまを励ましたいと思います。
あしからズッシード。
”とても平静ではいられない感情が綴られていました…。”
だんな様、いったいどんな、いやらし…情熱的な言葉をメールしてらしたのでしょうか。
奥さまの表現も素晴らしい。
いやがおうにも読み手の下衆な好奇心を惹きつける、最高の投書です。
いえ、奥さまは悩んでいらしたのに、失礼なことを申しました。
わたしがこの投書を紙面に見つけたとき、さいしょに頭をよぎったのはやはりドラクエXの相方恋愛のことです。
メール恋愛と、ネトゲ恋愛は、姿こそ違うようだけれど、「ただメールを交わすだけだから」、「キャラ同士で仲良くするだけだから」、「会うわけじゃないから」と、当事者の心の中で言い訳の立ちやすいところは、似ている気がするのです。
さて奥さま。
慣れないお話で戸惑うかもしれませんが、聞いてください。
わたしのいるアストルティアというゲームの世界には、「チャットするだけ」「この世界で一緒にあそぶだけ」という恋愛を楽しむ男女が無数に存在します。
ええ奥さま、中には、ほかに配偶者がいらっしゃる同士の恋人もたくさんいるのですよ。
この話を聞いて、70歳を過ぎたあなたはとても驚かれたでしょう。
けれど奥さま、ショックを受けずに聞いてくださいね。
ご主人のように、ネットを通してひそかに心を通わせ合う男女は今や、めずらしいものではなくなっているのです。
それは、奥さまを悩ませたメールや、わたしのプレイしているゲームの世界だけじゃあありません。
SNS、マッチングアプリ、ソーシャルゲーム…。
あらゆるプラットフォームで、数えきれないほどの人たちが、心のどこかに迷いと後ろめたさを抱えながら、恋愛、ときには、恋愛のようなモノ、を楽しんでいます。
よくないことをしているという罪悪感と緊張感が、恋の気分を高める媚薬であることも、きっと少なくないのでしょう。
でもね奥さま、
さっき言ったように、いまとなってはこういう形の浮気は、星の数ほどあるものなのです。
聞けば、だんな様はもう相手の女性とメールするのも電話するのもやめると反省していたとの事。
送受信メールを見せてくれたのも、やはり奥さまとの仲直りを一番に考えてのことではないでしょうか。
まあ、メールをやり取りしていたことは安易だったけれど、その反省とお覚悟を、もいっかいくらい、信じてあげても大丈夫な気がします。
で、バッグやおさいふやダイヤの1つ2つ、買うていただきまひょ。
だから奥さま、
そんな星の数ほどもある些末なトラブルになんか、負けるこたぁねぇんだよ。
これからも、堂々と、正直にきもちを伝えあって、いざとなったらメールだろうが何だろうが一切がっさい見せ合って、そうやって問題を乗り越えていきゃあいいんだよ。
おっと、取り乱しました。
それにしても奥さまが、おいくつになられても、だんな様のおたわむれに腹を立てられ、心を乱されるほどひたむきでいらっしゃること、うらやましく思います。
いえ、奥さまのご心痛を軽んじているわけではございません。
ただ、ひと悶着はあったけれど、奥さまも、だんな様も、とてもお互いを欠いた人生など考えられないと思っていらっしゃる。
そのことが、本当によく伝わってくる、
実はすげえ壮大な、おのろけ投書だったんじゃないかって私は思ってる。
奥さまが当ブログを目にすることなどまず無いと思いますが、私のような者が意見を申しました勝手をお許しください。
ただ、心より応援しています。
どうぞお二人、末永く、仲睦まじくいらっしゃいますよう。
※「人生案内」は、読売新聞朝刊に掲載されている人生相談コーナーです。
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